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&more#13item name5満員御礼。うける販促品の舞台裏。リニューアル足し算POINT & 引き算POINT基本はキープコンセプト。でも、使い勝手はちょっといい。35085便利に使える! 3スタイルティッシュポケット商品掲載 P.121 また、この「商品を使い込んでみる」という作業は、開発担当者が一人で担うわけではありません。試作品が出来上がったタイミングでさまざまなスタッフに声をかけ、試作品を見てもらったり使ってもらったりしながら、細かい意見でも丁寧に扱うのが慣例で、「たくさんの使用者の声」から、小さいけれど新しいアイデアが生まれています。「このストラップは、もう少し長い方がいいよね?」「ポケットはもう少し深い方が使いやすそう」「この色は流行色だから人気出そう」こんな何気ない会話の積み重ねが、人気商品の開発を支えてきました。品の雰囲気も一新することができ、横這いをたどっていた売り上げも、右肩上がりへと改善されました。スタートします。販促品の場合だと「使用者」=「購入者」ではないことがほとんどなので、表面的な良さが「購入者」に伝わればイイのでは? と考えがちですが、自社で開発費を掛けて長く商品を販売したいと考えると、実は「使用者」が納得してくれる使い勝手が必要とされています。この、使い勝手の良し悪しはライフスタイルの変化に影響を受けやすく、長寿アイテムになるほど発売からの時間経過による問題点が浮き彫りになってくることが珍しくないからです。こうして見つかった小さな問題を地道に改善しながら、無駄を削ぎ落とし商品力を高めることがリニューアルの役割なのです。た「レジ袋用ループ」や「小物トレイ」などの機能は、そんなこだわりが結実した賜物なのです。  また、コストをいかにして抑えるかも、リニューアル時に避けては通れない重要な課題のひとつです。各部の素材を一つひとつ見直したり、縫製工程数を減らす工夫をしたり、依頼する工場を再検討したりと、目には見えない部分には幾多の工夫が盛り込まれ、コストを抑えながらも機能性をアップすることに成功。商品としての魅力はトータル的にアップすることができています。さらに、流行りのインテリアにマッチする落ち着いたカラーをセレクトしたことで、商売れてうれしいのはもちろんですが、社内で愛用者が多いのは、何気にうれしかったりしますね。足し算POINT1レジ袋を取り付けるためのループを追加。車内で使用する際に、使ったティッシュやゴミを捨てやすくしています。Special issueHistory of sales promotion item足し算POINT2高さのある小物も安定して置けるトレイを追加しています。底面に板材を追加することで形状が安定しました。引き算POINT1引き算POINT2パイピング部分も本体と合わせたグレーにすることで、コストを抑えつつシンプルですっきりとした印象にしています。より生産がしやすいように縫製工程を見直す中で、結果的にティッシュがより使いやすくなるというメリットも。社内で愛用者がいっぱい!「引き算」は影の功労者目立つのはどうしても「足し算」の部分だけど、地味に頭を悩ますのは、どうやって「引き算」をするかだったりします。使い込むほどに見えてくる、リアルにうれしい改良ポイント。 人気の商品をリニューアルする理由は、原材料コストの高騰や販売数の横ばい傾向、安価なライバル商品の出現など。それに対して、商品の魅力を下げることなく問題点を改善し、できることなら新しい価値をプラスすることが求められます。ただ、製造原価の面で制約の大きい販促品業界で、すべての要求に100%応えるのは容易ではありません。商品のリニューアルは、仕入れた商品を販売するだけでは得られない、さまざまなノウハウによって支えられています。 まず、機能が売りの商品をリニューアルするケースでは、ベースになる商品を徹底的に使い込んでみるところから、すべてがいざ使ってみたら使いにくい、そんな機能は絶対に付けたくない。 追加したい機能や細かな改善ポイントが絞り込まれると、やるべき方向性は定まってきます。しかし、すべての可能性をチェックする作業には思っている以上に時間がかかることが多く、今回の場合は着手から新商品の完成までに約半年という時間を要しています。手書きのラフ案をベースに試作を繰り返す段階でたくさんの問題点が見つかり、その一つひとつを丁寧にクリアしなくてはならないからです。一見すると商品として形になっているように感じても、「実際に使ってみると使いにくいという機能は付けたくない」担当者のそんな思いが丁寧な検証作業から伝わってきます。新しく追加されリニューアルの足し算、引き算。

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