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大切にしたかった見た目のリニューアル感。それは、迷走の序章に・・・。&more#12item name3満員御礼。うける販促品の舞台裏。35716おうちでおんたま! 温泉たまごメーカー型にするため、従来商品ではヨコ並びに二個のたまごをセットしていた仕様を変更し、新たな試作品はタテ並びにたまごをセットする仕様にしています。内側の空間も従来商品と同等程度を確保し、同じ量のお湯を入れられるように設計されました。いよいよ、3Dプリンターで試作品を制作し実際に温泉たまごができるかどうかのテストを行う段階に進みます。ここまでの過程は順調に進んでいるかのように思えました。 「えっ? 温泉たまごが上手くできない?」温泉たまごを実際に作ってみて発覚したのは、致命的とも言える問題点でした。特に災いしたのは、新たに採り入れた縦型の形状。時間が経つとお湯は下側から冷め始め、内部の上側と下側で温度差が出来てしまいました。その後いくつかの改良を試みたものの、温泉たまごの仕上がりのバラつきは解消されません。残念ながら、ニワトリ型デザインはお蔵入りになってしまいました。商品掲載 P.97幻となってしまったニワトリデザインでしたが、この経験から「勇気ある撤退」ということを学びました。お蔵入りさせたことで、結果的に納得がいく商品ができました。Special issueHistory of sales promotion itemパッと閃いた、ニワトリモチーフのデザイン。思い切った縦型形状が明暗を分けるポイントに!? 販売開始から16年で累計102万個を売り上げた「まろやか温泉たまご器」は、安定した売り上げを誇った類い稀な長寿商品です。ただ、そんな優等生商品を持ってしても乗り越えることが厳しかったのが、世界を巻き込んだコロナ蔓延による為替変動と材料費高騰の影響でした。そのあおりをまともに受けることになり、リニューアルを余儀なくされます。このような状況でスタートしたプロジェクトは、幾多の試練が待ち受けていました。 まず開発の前提となったのが、「お湯を注ぐだけで温泉たまごが手軽に作れる機能」「販促品として受け入れられる売価設定」「リニューアル感が伝わるデザイン」の実現です。大前提として、お湯を使って温泉たまごを作るという機能面は変えられないと判断した担当者が注力したのが、まったく新しいデザインの模索でした。 新しいデザインに取り掛かる上で描いたイメージは「ニワトリから温泉たまごが生まれる」というユニークなストーリーです。このアイデアをデザイン化している例が市場になかったこともあり、程なくしてニワトリをモチーフにしたデザイン制作がスタートしました。全体のフォルムをかわいい雰囲気のニワトリchicken?ニワトリが先か?

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