SPsource131
4/202

#1Re:lSpecial issueHistory of sales promotion item満員御礼。うける販促品の舞台裏。item name3[リル]商品掲載 P.19販促品に残されていた伸び代でした。既存のリサイクル素材製品には、どうしても「高い」「見た目が良くない」といったネガティブな要素がつきまとっていますが、言い換えればネガを克服できれば活路は見えてくるということです。まずは「高い」につながる材料の見直しが進められました。その後、再生素材について調べが進むと、日本に流通している商品にはまだあまり使われていない素材がいくつかあることがわかってきます。また、幸運なことに、それらの素材には材料コスト面でも削減の余地が残されていたのです。地道な苦労の末に実現した「戦略的なプライス」と「目新しさ」というフレッシュな魅力は、新ブランドを支える強い基軸となっていきました。 次に「見た目が良くない」というイメージの払拭については、アイテムの第一印象を見直すことで解消を試みました。販促品は『パッケージも含めて商品』であり、イベント会場に積み上げられる際やDMの写真を目にした際に「直感的に欲しいと思ってもらえるか」が重要です。ブランドイメージの構築に欠かせないパッケージデザインは、ナチュラル感のあるクラフト紙に最小限の情報をシンプルに印刷する手法を基本とし、ひと目でリル・シリーズとわかるよう工夫が盛り込まれました。また、アイテム本体のデザインも細部まで煮詰め直し、リサイクル素材の配合量を調節するなどの試作改良を徹底。「これなら、自分で使いたい!」という商品を目指す開発担当者のこだわりを、随所に感じることができます。そんな過程を経て完成したブランディングだからこそ、販促品市場に好感を持って受け入れられているのかもしれません。「これなら自分で使いたい !」 そう思える本物が欲しかった。 地球環境への負荷を減らすための継続的な取り組み「SDGs」が注目され始めた頃、販促品に求められる要望にも少しづつ変化が出はじめます。そこかしこで耳にするようになったのは「少し割高でも、もう少し環境保護寄りの商品が欲しい」という販促市場の声でした。ではなぜ、そのような要望が生まれてきたのでしょうか? 答えを探ると、手軽なエコを謳った商品は市場にあふれ気味で、目新しさを失ってしまっている現実が浮かび上がってきました。こうして、より環境保護をイメージさせることを目指した新ブランドの開発は、独自の切り口を見つけることからスタートしました。 まず手始めに開発担当者が取り組んだのは、既存のエコ商品との差別化ポイントをどこに設定するかという課題です。リサーチの過程で目を付けたのが、リサイクル素材を使用するひと目でピンとくる、ブランディング。

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る